薔薇は観賞用や香料として愛されています。その薔薇に新種が登場?
花びらの一つひとつの色が異なる七色の薔薇に注目が。
薔薇、バラ……漢字とカタカナでは見た目の印象がずいぶん違いますね。漢字は何か妖艶な感じがしてしまいます。花弁にメリハリがあり、その一つひとつが自己主張しているようで、そんなところがヨーロッパ調なのでしょうか。カタカナはひどくカジュアルです。そのバラなんですが、バラと聞くと何色をイメージしますか。普通は赤、ローズカラーですかね。男を翻弄するカルメンも口にくわえたのは赤い薔薇だったと思うのですが。赤の次は白でしょうか。この白もなぜか真っ白で、白色を主張していますね。そして、棘。きれいな薔薇には棘がある。などと、薔薇と女性をかけたことわざもあります。赤い薔薇と白い薔薇が薔薇だと思っていたのですが、なんと薔薇革命とも呼べるとんでもない色の薔薇が生まれているのをご存知ですか。
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花びらの一枚一枚が、薄いブルー、青、黄、紫、ピンクなど、それぞれ異なる色のバラ
があります。七色に見えることからレインボーローズと名づけられています。オランダのアムステルダム地方生まれ。もちろん生花ですが人間の手が作り出した人工バラのようです。製法が秘密のために詳細は分からないのですが、着色した水を吸わせて色づけするという技法のようです。どの葉脈がどの花弁につながるかは決まっているので、葉脈ごとに色を変えて、ていねいに吸着させて作り出しているというのが真相らしいです。手間隙かけて作っているのですが、一度見るとその鮮やかな印象に圧倒されます。
まだ、一般的にどこのフラワ°竝タ店でのみ取り扱っているバラです。店先に並べられているのですが、道行く人は皆さん吸い寄せられるようにレインボーローズに見入ってしまいます。
オランダでは、ハッピーローズという名前で売られているようですが、この名前もなかなかです。見るとハッピーな気分になるから。注文や売れ行き状況を見ながら毎週オランダから空輸しているそうです。ちょっと高価ですから、大切な記念日のプレゼントに贈るのが一番です。
薔薇はじつにヨーロッパ的である、と述べていながら、矛盾するようですがじつはバラは日本にも自生しています。バラの歴史は古く、古代エジプト頃から香料や観賞用として愛用されています。ルネッサンス期の傑作ボッティチェリの「ヴィーナス」誕生にもバラはふんだんに描かれています。日本では、平安貴族が愛用していたということです。バラというとぴんときませんが紅花という名で使用されています。イギリスでは王位を争ったヨーク家の象徴が白いバラで、ランカスター家の象徴が赤いバラだったために、両者で争った王位継承戦争をばら戦争と呼んでいます。現在のバラに至るには、相当の品質改良があり、そのたびに薔薇は薔薇らしくなっていったのです。そういった意味で現在の薔薇は人間の英知と努力が作り出した結晶ともいえます。きっと、レインボーローズもそのような歴史から生み出されたのではないでしょうか。
ちょっと贅沢に、ということでバラをバスに入れてバラ湯を楽しむ、なんてことを楽しんでいる女性もいるそうです。その香りがなんともいえず、癒しなのだそうです。
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